PDF には、タイトル、作成者、作成ツールなどの標準的な項目に加えて、作成者が独自に定義した追加情報フィールドを持たせることができます。Userproperties は、そのような追加フィールドが文書内に含まれているかどうかを示す、単純な「はい / いいえ」のフラグです。
どのファイルに表示され、値はどこから取得されるか
Userproperties は PDF 文書に固有のものです。写真、動画、音声ファイルには存在しません。これは XMP User Properties とも呼ばれます。Adobe の Extensible Metadata Platform に由来する名称で、PDF を含む多くのファイル形式が採用しているメタデータ形式です。
このフラグ自体は手入力ではなく、ソフトウェアによって設定されます。PDF を生成したプログラムが、独自の名前付きプロパティを文書に付与したときに現れます。このような処理を行うプログラムは、多くの場合、どこか別の場所から構造化された情報を引き継いでいます。例えば、エンジニアリングや CAD のエクスポート、ドキュメント管理システム、レポートやフォームの生成アプリ、出版用テンプレートなどです。ただし、そのプロパティの中身は、人が入力したものに由来することがよくあります。元のアプリケーションで、誰かがプロジェクト番号、クライアント名、部門名、審査状況などを入力し、その状態のままエクスポートされて PDF に引き継がれる、といった形です。
その値がどのように表示されるか
取り得る値は 2 つだけで、単位はありません。文書に作成者が定義したプロパティが含まれていれば Yes、含まれていなければ No です。一部のアプリでは、同じ内容を true / false と表示します。
この行から分かるのはそれだけです。文書のどこかにそのようなプロパティが存在するかどうかを記録するだけであり、その名前や内容までは表示しません。そのため、Yes は答えというより「手がかり」であり、No は「この種類の情報はファイル内に一切ない」という完結した答えです。
それが重要な理由
ここを気にするべき理由はプライバシー、特に意図せず漏れてしまう情報です。作成者が定義したプロパティには、内部向けの詳細情報が入りがちです。元々、社内利用を前提に作られており、外部の人に読まれることを想定していないためです。デザインアプリからエクスポートした図面には、プロジェクトコードや現場名が含まれているかもしれません。ドキュメントシステムから書き出した契約書には、社内の管理番号、承認者、部署名が入っている場合があります。PDF を開いてページをスクロールしても、そのどれも画面上には表示されないため、存在に気付きにくいのです。
そのため、Yes が表示された場合は、そのファイルを公開したり、クライアントにメール送信したり、公的な書類に添付したりする前に、内容を詳しく確認する良いきっかけになります。PDF のメタデータをクリアすれば、他の隠しフィールドと一緒にこれらのプロパティも削除でき、社外に出す前に文書をクリーンな状態にする一般的な対処方法になります。
もう一つ、より静かな用途もあります。PDF を印刷会社、出版社、アーカイブ担当者などに渡す場合、このフラグを見るとエクスポートで何が行われたかを手早く確認できます。追加の構造化データが一緒に持ち出されたのか、それとも見た目どおり余計な情報のないファイルなのかを判断できます。