フラッシュのメタデータは、写真の EXIF データの一部で、カメラのフラッシュがどう動作したかを記録する部分です。フラッシュが発光したかどうか、どのフラッシュモードが設定されていたか、赤目軽減が使われたかどうかが分かります。
カメラはこの情報を、タグ ID 0x9209 の Flash という 1 つのタグに保存します。このタグは、シャッタースピード、絞り値、ISO 感度と同じ EXIF データの領域にあります。
どのファイルがそれを持っているか
フラッシュは Exif 規格の一部であり、この規格は業界団体の CIPA と JEITA が共同で管理しています。Exif データは JPG や TIFF の写真、HEIC 画像、DNG などのカメラの RAW ファイルに含まれます。
Exif 規格では、フラッシュタグはすべての種類の画像で「推奨」とされており、「必須」の 1 段階下の扱いです。フラッシュのないカメラでもこのタグを書き込むことができ、「フラッシュ機能がない」ことを 1 ビットで示せます。
その値がどのように表示されるか
フラッシュタグには 1 つの整数が保存され、その数値を構成するビットごとに異なる内容を表します。このような値はビットフラグと呼ばれます。Exif 仕様では次の 5 つの部分が定義されています。
- ビット 0 はフラッシュが発光したかどうかを示します。
- ビット 1 と 2 は、カメラがフラッシュ光の戻りを検出できるかどうか、および実際に検出したかどうかを示します。
- ビット 3 と 4 はフラッシュモードを表し、強制発光、強制発光禁止、自動、不明のいずれかです。
- ビット 5 はカメラにそもそもフラッシュ機能があるかどうかを示します。
- ビット 6 は赤目軽減モードが使用されたかどうかを示します。
ExifTool などのプログラムは、この数値を短いテキストに変換します。例えば 16 という値は Off, Did not fire と表示されます。
一般的な値
これらの組み合わせは、ExifTool のフラッシュ値リストからのものです。数値はファイルに保存されている値で、テキストは ExifTool が表示するときの書き方です。
0:No Flash1:Fired9:On, Fired16:Off, Did not fire24:Auto, Did not fire25:Auto, Fired32:No flash function89:Auto, Fired, Red-eye reduction
0 の読み取りには注意が必要です。これはフラッシュが発光しなかったことを示しますが、フラッシュモードは不明として記録されるため、フラッシュがオフにされていたかどうかは分かりません。
値の由来
フラッシュタグは、写真を撮影したときにカメラが書き込みます。この値は、設定したフラッシュ設定と実際のフラッシュの動作を反映しています。
一部のカメラメーカーは、各社が設計したメタデータの専用領域であるメーカーノートに、より詳しい情報を記録します。例えば Canon のカメラでは、External flash や Slow-sync などのフラッシュモードを保存できます。また、内蔵フラッシュと外付けフラッシュのどちらが使われたかも記録できます。
XMP メタデータを持つ写真では、同じ 5 つの情報を Fired、Return、Mode、Function、RedEyeMode のような個別のフィールドとして保存できます。メタデータ編集アプリで後からフラッシュの値を変更することもできるため、証拠ではなく記録として扱うようにしてください。
それが重要な理由
フラッシュタグから、写真を撮ったときにカメラのフラッシュが発光したかどうかが分かります。写真に赤目が写っている場合は、赤目軽減が設定されていたかどうかも、この値から分かります。
Exif 規格では、フラッシュは写真のレタッチに役立つタグの 1 つとして挙げられています。ソフトウェアはフラッシュの情報を、被写体までの距離、シーンタイプ、明るさと合わせて読み取り、適切な露出が可能かどうかの判断に役立てます。
2 つ目のタグがフラッシュを指す場合もあります。Exif の LightSource タグでは、値 4 がフラッシュを意味し、ソフトウェアはこれを利用してホワイトバランスを調整することがあります。
フラッシュタグには個人情報は含まれません。記録しているのはカメラのフラッシュに関する情報であり、撮影した人や場所についての情報ではありません。